「お弁当の日〜食べることは命をいただいて生きること」

Oct 16, 2023

※こちらのイベントは中止になりました。

2001年、香川県の公立小学校の校長先生が子どもたちの暮らしの時間を取り戻したいという思いから、「お弁当の日」を作ってスタートさせました。
そのお約束は「自分で食べるお弁当の献立作り、買い出し、調理、お弁当箱詰めを全て一人で行うこと」。
5、6年生のみを対象とし、10月から2月まで5ヶ月連続で実施することになりました。

働いている親御さんからは「給食があるのに、なんでわざわざお弁当を作らなくてはいけないの?」という声もあったかと思います。
実際、教員の方にとっては職務を超えた活動だったので、あまり乗り気ではない先生もいらしたようです。

初めてのお弁当の日。
親に手伝ってもらわずに作った子どもはほとんどいなかったそうです。
作ってきたお弁当は食べる前に「見せっこ」。
最初は火を使ったことがない子どもも、親と一緒に作ってきた子どもも、一人で作ってきた友達のお弁当を見ているうちに興味を持って、いつのまにか自分で作るようになっていきました。
そして大切なことは親や先生たちがその批評や評価をしないということ。
たとえおむすび一個だけでも、その子が作ったお弁当であれば、それは世界で一つだけのお弁当。

お弁当作りを通して、子どもたちは食べることの後ろには、野菜を作ってくれる人やお米を作ってくれる人の存在があることに気づいていきます。
お父さんやお母さんに教えてもらわなければわからないこともたくさんありました。
食卓の向こう側の存在・・・。
自分で料理すると本当にいろいろな発見がありますね。
お弁当作りを通して、食べることは命をいただくとても大切なことなんだと気づき、料理することの楽しさを覚えていく子どもたち。

飲食の志事に長く関わって来て思うことは、食べることを大切にする人は生きることも大切にするということです。
同時に人の体は食べたものでできているということ。

子どもたちが料理することの楽しさを身につけたら、そしてもっと進んで自分が作ったものを誰かに食べてもらうことの喜びを感じられるようになったら・・・きっとその後の人生は何があっても大丈夫。
命の基本が体に染み込んでいたら、決して人生を諦めることはないのではないかなと思います。

そんな活動をスタートした竹下和男先生は、定年退職され、現在、全国を行脚しお話会をされています。
数年前「100年未来の家族へ ぼくらが作るお弁当の日5・7・5」を読んで感動し、いつか竹下先生を風楽にお呼びしたいと思っていました。
子どもたちが作ったお弁当の写真と、それに寄りそう愛情たっぷりの竹下先生作の川柳が書かれている小さな写真集です。
「失敗作 いいえ あなたのデビュー作」
「次はいつ 父も待ってる お弁当の日」
「鶏・魚 野菜・牛・豚 オレになる・・・」
一句一句に思わずほのぼの、そしてほろり。

お弁当の日を体験した子どもたちはいつのまにかおばあちゃんや家族にも愛情たっぷりのご飯を作ってあげる子どもに成長していきます。
そして今、お弁当の日を実践している学校は全国で2400校になり、一人の校長先生の試みが草の根で広がっているのです。
本当に素敵な食育の取り組みだと思いませんか?

今回、竹下先生をお招きして、「お弁当の日〜食べることは命をいただいて生きること〜」というテーマでお話いただくことになりました。
小学校の教育現場から見た子どもたちの変化や現状、そしてお弁当の日を通して子どもたちがどんなふうに成長していったのか、たくさんの子どもたちとの関わりの中で感じられたことをお聞きできたらと思っています。
どうぞご参加くださいね。

<竹下和男プロフィール>
1949年香川生まれ・香川教育大学卒業。教員、小学校校長、中学校校長、教育委員会を経て2022年からオフィス弁当の日設立、フリーで執筆・講演活動。著作は『日本アンソロジー・安藤昌益』(光芒社・共著)『“弁当の日”がやってきた』(自然食通信社・共著)『台所に立つ子どもたち』(自然食通信社・共著)『始めませんか 子どもがつくる“弁当の日”』(自然食通信社・共著)『ひとりでお弁当を作ろう』(共同通信社・監修)2『泣きみそ校長と弁当の日』(西日本新聞社・共著)『できる!を伸ばす弁当の日』(共同通信社・編著)他多数。『地域に根ざした食育コンクール2003』農林水産大臣賞。『ごはんと笑顔フォトコンテスト』読売新聞社賞。『第8回キッズデザイン賞』2014年8月消費者担当大臣賞受賞他。

◇日時:11月18日(土)10:30〜13:30
10:00開場
10:30〜12:00お話
「お弁当の日〜食べることは命をいただいて生きること〜」
12:00〜13:30
お弁当&質問タイム
◇参加費:4500円(オーガニックお弁当付)
◇申し込み:furaorganic@gmail.com

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